今週のアクタージュはコモドドラゴン並に最大級でした

アクタージュのコミックスが100万部突破したようです。すぐに1000万部に行くでしょう、きっと。もっと読むんだ、みんな。

今週号のアクタージュ(第65話)は、ダブルキャスト編の役者が文字通り揃ったところで、今後の展開をハラハラドキドキさせるための前フリ回です。

 

※20.1.7 引用を適正な量にて内容も若干修正しました

(以下ネタバレ)

scene.65 邂逅

ダブルキャストの主役(夜凪・王賀美vs千世子・阿良也)を4人集めたプロデューサーの天知(もちろん王賀美はまだ来てないけどね)。

最初は夜凪にケンカ腰で向かわれますが、大人の男らしくジョークでいなします。

天知にとって興味があるのは、凄い作品を作って凄く売ること。結果のためには自分がどう思われようが気にしない、まさにプロのプロデューサー(語感悪いな)。

夜凪はあくまでも高校生なので、完全に翻弄されてしまうし、周りの業界人たちもそれをはやし立てます。誰がどうとかなんて、些細なことなのです

彼らはそういう面で大変プロフェッショナルと言えるでしょう。

 

それよりも彼らが興味があるのは、自分が出る作品が「どうなるか」ということ。

ただ、「スターズの天使」と呼ばれる百城千世子は「とにかく売れること」、超話題劇団「劇団天球の落とし子」明神阿良也は「役をどう演じるか」ということというように、2人が目指す「どうなるか」というのは全然違うように見えます。

ただ、それこそが「作品作り」の魅力。

皆がみんな、違う信条を持って、パリパリとしていてもいいけれど、目指すものは根本的には同じものです。

千世子と阿良也。若手のホープたちのプライドむき出しなのですが、これもそれもあれもどれも、すべてが天知のプロデュースなので、天知からしたらしてやったりでしょう。天知からしたら彼らは子ども、想像通りの展開にほくそえんでいるに違いありません。

 

阿良也と千世子もそれはわかってはいるでしょう。

でも、彼らには目的がある。ともに夜凪と出逢うことで「何か」を得た2人が、夜凪の才能を認めつつも、それでも主演を張る人間としてのプライドが、共演者じゃなく、ダブルキャストの相手である夜凪に「負けないぞ」とぶつけてくるわけです。

千世子もどこが「天使」なの?

というような黒モードな顔つきに。

でも、天使のままだと役者生命が終わるから、新しい自分を身につけるためにも、今後はこういった感じで行くぜ!・・・っていうのがわかりやすくなって、俄然、今後の千世子の言動が気になっていきます。よくできたシナリオです。

 

さて、そんなバチバチしている2人に戸惑う主人公 夜凪の元に、夜凪の共演相手がさわやかにやってきます。

バラの花束を抱えながらお姫様抱っこをする、ハリウッド俳優の王賀美陸です。

王賀美は、千世子の所属するスターズをやめてハリウッドに行った男。なんなら千世子が「子役」だったことを知っているだけに、千世子も王賀美の言動がちょっと気になる様子。

 

その辺も、再びどころか三度、スターズの社長 星アリサが物語に登場する伏線なんですが、狭いようで狭い芸能界。もっと色んな人が出てきても良さそうですが、メインキャラはメインキャラとしてしっかり分けて、脇役には脇役の出番もしっかり用意しているので、「映画デスアイランド編」で出てきた、夜凪の友だち(になった4人)もおそらくちゃんと出てくるので、あれやこれやとまたドラマが起きるのが楽しみです。

 

さてさて、お姫様抱っこをしたはいいものの、夜凪がまだまだ高校生だということに気づいた王賀美。

せめて共演する相手役のプロフィールくらいは見とけよと思うのが常識的な考えではありますが、百城千世子のことを「桃尻」と言ったりと、あまり他の人には興味がない王賀美。いや、でもそれがますますハリウッド俳優っぽくていいんでしょう。

なんだか、カッコいいんだかカッコ悪いんだかイマイチつかめないキャラですが、とりあえず夜凪を食い物で吊る作戦に出ます。案外いいやつかもしれません。

 

夜凪家は貧乏生活をしていたので、ウルフギャングでステーキを食べに行くなんて中々できません。

思わずよだれがでる夜凪。

恐らくこの後の展開では、弟妹を連れて行きたいと言って、なぜか事務所の社長兼監督の黒山とかがついて来ちゃったりする展開になるのだと思うけど、どうなんでしょうね? 次号、ティーボーンステーキ編(勝手に命名)が楽しみです。

ハリウッド俳優なのにウルフギャングクラスでいいの?とも思いますが・・・。

 

王賀美みたいに派手に遊んできたわけではなく、イケメン故にモテモテで、やる気がないのでどっちかというとヒモ体質の阿良也

負けじと千世子を食事に誘いますが・・・

吉野屋って!

 

キン肉マンに出てくる牛丼屋(モデルは当然吉野家)じゃないか!

 

作者一体何歳なんだろうと思いながら、いや、そもそも牛丼屋でお互いのこと知るには居心地悪すぎだろというツッコミもなく、「勝てるならそれでいい」と言う千世子さん。

本当に牛丼屋に行くのであれば、ぜひ、来週はそのシーンを入れてほしい。千世子が牛丼屋にいても誰もきっと信じないので、そういう感じの話になると思うけどきっとないだろうなぁ・・・・ひょっとして単行本で収録か!?

 

さて、話を本題に戻し、思いどおりに役者たちがそれぞれの個性を発動させている中で、学校の先生ばりにムリヤリまとめに入る天知プロデューサー。

 

舞台なのにシネコンやネットを使った動画配信まで行うということをサラッと言っちゃって、国内過去最大規模の舞台とぶち上げてしまいます。

 

そんなのやっちまったら、次はハリウッド行くしかないんじゃないの、夜凪ちゃん!という気がしないでもないですが・・・しかもそれがなぜ、一般にはピンとこない「羅刹女」というテーマなのか?

 

実に不思議な感じがしますが、まぁ、根本的に夜凪の成長物語なのでそこは細かく考えずに、夜凪と、それに関わる役者たちが、「羅刹女」というテーマでどう躍動し、どう成長していくか、そしてそれが物語とどう関わっていくのか?

というのを楽しみに待ちたいと思います。

 

ラストシーン。

主人公 夜凪も、最初は天知につっかかっていましたが、文字通り「凄い舞台」に立たせてもらえることに感謝し、高校でフツーの生活をしてなお一層強く感じた「役者」への想いを胸に、強く決意をします。みんなの「同じ気持ちだぜ」っていうのが伝わってきて好きなページです。

「ありがとう 必ず良い舞台にする」

 

少年マンガの主人公らしく、常に希望の光を追い続ける宿命を見事に体現する夜凪。

 

しかし


なぜ、プリントがコモドドラゴンなんだ!

musthaqsms / Pixabay

※コモドドラゴン(コモドオオトカゲ):インドネシアに生息する、体長3mにもなる世界最大級のトカゲ。名古屋市の河村市長が東山動物園に借り受けしようと画策している。どこまで本気かわからないが、中日「ドラゴンズ」だからというのもあるらしい。

 

 

(出典:週刊少年ジャンプ 201925号『アクタージュ』scene65邂逅)

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