今週のアクタージュはドラゴンボールを思い出しました
もう数時間後には最新話が公開されることに戦々恐々としていますが、なんとか今週のアクタージュ 第64話です。
※20.1.7 引用を適正な量にて内容も若干修正しました
(以下ネタバレあり)
scene.64 宣戦布告
いよいよ「ダブルキャスト編」が本格的に始まる・・・・前に、まずはタイトルにもあるとおり、千世子から夜凪への「宣戦布告」から始まるわけですが、千世子の想いなど知りもしない夜凪は、千世子に会えるのが嬉しくて嬉しくて仕方がない様子。
高校でフツーの友だちもできたし、なんなら友だちとカラオケもいったり、高校でも映画を撮って、MVも評判になって、完全に上向き人生でリア充の仲間入りを果たしたせいか、とにかくよく喋る夜凪。
夜凪の舞台での演技や話題のMVで焦りを感じている千世子の気持ちなんて知りもしません。
千世子はすべてを犠牲にして「天使」をやっているのに、なんならそのために役者生命が短命で終わることも想定されているだけに、彼女が負けたくないと強く想うのも逆に伝わってきます。
そして千世子は、一人喋り続ける夜凪に対して、千世子は、夜凪に対して「次の仕事」の話を切り出します。
一つのテーマを二人が別々に演じるダブルキャスト。
フツーに考えると役者と映画監督がメインキャラクターなので、もっと映画とかテレビの仕事の話が多くてもいい気もしますが、原作者が舞台派なのか、またしても舞台。
あまり一般の人、ジャンプの(一応)ターゲットである少年たちにはまったくなじみがない舞台ですが、だからこそお話作りとしては色々とやれそうな感じはします。
千世子は夜凪に問います。
「夜凪さんは興味ない? 私とあなた どっちの芝居が上か」
役者として生きていくことを決めている夜凪の答えは決まっています。
「私も知りたい」
この辺、理屈っぽくなくて、ジャンプの主人公らしくていいですよね。バトル展開の始まりです。
それにしても、役者であればなんでも演じられるわけでもないだから、役者の上下なんて、本来はないといえばないのですが、ここで言っているのは、あくまでも見た人たちが「こっちの方が凄かった!」と言える上下のことなのでしょう。
役者というお仕事は、他者から見られることを生業とするわけですから、その、他者の目線を基準に測る指標もまた、否定することはできません。とくに、千世子の場合は、見る人の目を超越した「俯瞰力」で己のすべてを演出して演技するタイプですから、自分にとっての存在価値であり、絶対的基準とも言えるのでしょう。
実際問題、主演を張る役者はどうしても「視聴率」とか「興行収入」とかだけで語られがちなのも事実。
視聴率が低迷したドラマのバッシングが、監督やプロデューサーに行くのではなく、真っ先に主演に行くのはその最たる例です。
プロスポーツもそうですが、「見られる者」は難儀な仕事です。
その辺、プロデューサーの天知はよく知っていて、その気持ちをとにかくうまく使おうと考えているようです。
興業と言うことを考えれば、天使でスターの百城千世子×若手実力派俳優 明神阿良也(みょうじんあらや)と、話題の新人女優 夜凪景では、どう考えても前者しか人が集まらない。
だから、プロデューサー天知は、夜凪の相方にとんでもない役者を画策します。
千世子の事務所スターズから飛び出してハリウッドで活躍する俳優、王賀美(おうがみ)をターゲットにしたのです。自分にサインしてと群がるパンピーに対して、顔にサイン書いちゃうかなり危険な人です。
名前に「王」が入る、王者の風格の王賀美陸(26)。
というか、なかなか変わった髪型してますが、人気出るかな?
いや、その辺、アキラくんと違って「媚びない」演出かもしれません(そういえばアキラくんはまた出るのだろうか?)。
主演の業で「消費」されたくない千世子が「新しい百城千世子を見せる」と言っているわけですから、ただ、そのまま今までの「天使」を演じるわけでもないでしょうし、主演の業に負けず、なんなら突き詰めていった王賀美を通じて、他の三人が影響を受けていく、という展開もあるでしょう。
逆に確かに、王賀美にとってのメリットが今のところ見えにくいので、その辺も見所なんでしょうね。夜凪が、一緒にやるだけの魅力がある存在だと。
あとは、演目のテーマが、孫悟空と戦った敵役の仙女「羅刹女」をやるわけですから、千世子と夜凪が、どんな風に自分のイメージの殻を壊していくのかも見物です。
おまけ:そもそも、「羅刹女(らせつにょ)」って誰?
と思ってWikipediaで調べたところ、西遊記に登場する、通称「鉄扇公主」がその人。
なになに・・・
鉄扇公主(てっせんこうしゅ)は、『西遊記』などに登場する宝貝である扇「芭蕉扇」をもったキャラクターである。日本では「羅刹女」(らせつにょ、或いはらせつじょ)の名前で知られているが、中国では「羅刹女」は「女の羅刹天」を指す普通名詞であるため、この名前(または「鉄扇仙」の名)で呼ばれる。(出典:Wikipedia)
なるほど。
うん?
芭蕉扇?
芭蕉扇ってあの?
そういえばよく見たら・・・
芭蕉扇や!!
しかもWikipediaを読み進めていくと、
羅刹女は牛魔王の妻であるが、牛魔王が愛人の玉面公主(正体は玉面狸)を作って芭蕉洞へ帰って来ないため不機嫌を募らせていたところに孫悟空が芭蕉洞を訪ね、火焔山の炎を消すために芭蕉扇を借りたいと頼み込む。(出典:Wikipedia)
牛魔王!!
スーパーサイヤ人とかの『ドラゴンボールZ』や『ドラゴンボール超』ではなく、初期の『ドラゴンボール』(なんなら1巻~2巻)にあったエピソード※のあれですか!
※亀仙人が持っていた芭蕉扇でフライパン山の火事を消したかったが、亀仙人が鍋敷きにして汚れたので捨てられていた
あれの元ネタですか!
あまりにも初期過ぎるし、牛魔王も娘であるチチが結婚してからパンピールック&チチをたしなめる常識人になってしまったためにみんな忘れてるかもしれないけど、自分の城の財宝を守るためデカいオノをぶん投げて殺生していたトンデモ父ちゃんでした。
ちなみに今、見返してみたら、世界共通語「かめはめ波」の初登場エピソードということだったのですが、その割にはあまりにも忘れ去られているエピソードのせいか、Wikipediaどころか、マンガ・アニメ系のイラスト投稿サイトpixivの「芭蕉扇」の項目にもそのエピソードが載ってない・・・ジェネレーションギャップや・・・
・・・話がだいぶ飛びましたが、そんな、芭蕉扇が出てくる舞台を、ダブルキャストでやるんです、夜凪は。
きっと、亀仙人が芭蕉扇にワンタンをこぼしたとか、ブルマのパイパイを触らせてくれとか言ったとか、ミニガメラに乗って回転しながらやって来たとか、牛魔王に説教したとか、かめはめ波で山ごと吹っ飛ばしたとか、そんなこと絶対に知らないであろう夜凪が!!
どうなるか楽しみです。
(出典:週刊少年ジャンプ2019年24号『アクタージュ』scene:64)