今週のアクタージュはあやうく殺人事件でした
こんばんは、先週号に引き続いて書いている田中聖斗です。
いきます
※20.1.7 引用を適正な量にて内容も若干修正しました
(ネタバレあり)
scene69. 3日間
先週号はサイド乙、千世子&阿良也側でしたが、またターンが変わり、今度は主人公 夜凪側のターン甲に。
「3日あれば満足する演技をしてやる」
とタンカを切った夜凪。
当然のことながら思いつきなので、それを見透かした王賀美陸(前髪三本男)は、なぜかプロデューサーの天知を人質に取り、夜凪が戻ってくるまで舞台の準備は中止に。
夜凪が嫌いな天知が人質になっても効果はありませんが、タンカを切った以上、夜凪はなんとかせねばなりません。
かといって、今回は、事務所の社長であり映画監督の黒山が、星アリサの要望で敵陣営の演出になっている関係で、アドバイスもくれません。というか、メソッド演技という悪魔の媚薬に手を出した千世子のことを考えるとなぜかイライラしてしまうのです。
それでも、黒山は大人なので、そもそもな話をしてくれます。
「お前らには お前らの演出がいるんだろ?」
いねー!!
登場してねー!!
そういうことをすっかり忘れていた夜凪。
黒山には自分でなんとかするといつものようにタンカを切ったけれど、かといって会ったことない人を頼るわけにもいかない・・・困った夜凪景を見ていた妹が、余計なヒントを与えます。
「役作りとか言って 火山に登りに行くとかはやめてね?」
そして翌朝、夜凪は歩いていました。
結構な山を制服姿で。
しかもローファーじゃないですか?
たぶん、山を登ってから学校に行こうと思ったのかもしれませんが、なかなかマンガな展開です。いや、それだけ夜凪の思い込みの激しい性格がよく表現できていいですけど・・・
「神様を演じれば王賀美に負けるはずがない」
と考えてここまで行動できるのが凄いですね。ただ、羅刹女は結局、孫悟空に負けてしまうわけですが、それはいいんでしょうか??
雲の上まで来てしまった夜凪。
「火山を見れば何かつかめるはず」という目的を果たしたわけですが、そもそも火焔山(かえんざん)って、火山なの??
燃えさかっている山であって火山じゃなくない?
とも思いましたが、この頂上で、彼女はとりあえず、山と言えばコレというのをします。
とりあえず叫ぶ
そして、山を登ったはいいものの、何もつかめてないことに気づく夜凪。
この、突っ走るのが何も考えてない主人公らしくて良いですが、それではまったく勝てません。そこで現れたのが、夜凪に語りかける謎の人物。
どうも、夜凪と同類の人だそうですが、「運命を感じる」と言いながら近寄ってきて、つまずいた拍子で・・・
突き飛ばしたーっ!!
夜凪の脳裏をよぎるのは、これまで出逢ってきた大切な人たち。
その中には業界の人間だけじゃなく、「あさひな」こと朝陽ひななどの同級生もいます。
いや、巌裕次郎とかいいのか? 死んでるからいいのか?
走馬灯を見ながら、自分は死ぬのか?
と思った夜凪の脳裏に響いたのは、ライバルである千世子の声
「これはね 私が主人公だって 証明するための舞台になる」
人間は、限界ギリギリの所まで来ると、素の、荒々しい自分が出るものです。
だから、戦争下では「慰安婦」が必要とされたりと、いいことばかりではない現実もありますが、この場合は別。
危機的な状況で、このまま死んじゃってもいいかな~と思ってると本当に死んじゃいますが、「このまま死ぬわけにはいかない!」と思っている人の方が生存率が高くなるというアレです。
夜凪は必死に手を伸ばし(この表情良いですよね)、それに応えるかのようにしっかりと夜凪の腕を握る人がいました。
えっと、何から話せば・・・・
「山野上花子」と名乗る彼女の話を整理すると、
- 焦った
- 山の事故なら事件性を疑われる可能性も少ないと思い一瞬気が緩んだ
- それは私の弱さだ
- ごめんなさい
- でも直前で思い直した「今、主演に死なれたら困る」
- 良かった間に合って
- 夜凪は私の考える羅刹女に近い
- 今のエネルギー(謎)もう一度出せや
・・・・と。
え、(現代風な解釈での)確信犯?
怖っ!
マンガとはいえ、「ここで人を突き落としたら死ぬかもな~」と想像するのは、創作する人にありがちな発想とはいえ、それを実行に移しちゃうあたり、確かに夜凪と同類の匂いがします。
とりあえずやってみる。
後のことは後で考える。
でも、さすがに30にもなった、業界での地位も仕事もある自分が、その欲望のまま行動したらまずいよな、しかも自分の舞台の主演俳優って・・・これじゃサスペンスじゃないかと。
そうやって思い直して、夜凪を突き飛ばしておきながら、夜凪を救ったのです。
やべぇな、コイツ。
敵側のサイド乙の演出が黒山だから、夜凪側のサイド甲はてっきり、ベテランの極めて常識的な演出家を想像していましたが、真逆でしたね。むしろ、黒山がいかに常識的な人間であるかと思えるほどです。
これじゃ、才能はあるけどハチャメチャな展開になるのは目に見えていますが、名前が山野上て。
山の上で山野上に会うってどんな設定??
夜凪の方も夜凪の方で、そればっかりが頭に入ってくるもんだから、脚本読んだはずなのに演出の名前忘れてしまったのか? という感じ。
まぁ、まったくもって今後の展開がよめませんが、一波乱どころか大波乱続きになるのが想定される展開です。
それにしても、よくよく考えたら、これまで夜凪の演技を導いてきたのは、自身の死を間近で見させた巌裕次郎をのぞいて、基本的には黒山でした。
それが、黒山の手を離れ、夜凪という才能に手を焼くどころか、なんか、表紙(↓)にもあるように、夜凪を「進化」させられそうな演出や監督っていなかったですね。
そういう意味では、この、奇人 山野上花子が、その役割を果たすというところなのでしょうか?
次が気になります!(あと7時間で公開されますが)
(出典:週刊少年ジャンプ 2019年29号 『アクタージュ』scene.69 3日間)
あさひな(このブログでだけ浸透)が登場する7巻がもうすぐ発売されます!