実写化希望!『服なんて、どうでもいいと思ってた』全3巻
お昼ご飯は、TSUTAYAで見つけたギャグマンガ『服なんて、どうでもいいと思ってた。』。
KADOKAWA・メディアファクトリーの『コミックフラッパー』という、アニメ系な月間漫画誌で連載していたものですが、そういった理由もあって、基本的に「ファッション」を取り扱っているものの、ファッションセンスゼロの男たちが、「赤文字系」女性ファッション雑誌編集部というファッション最前線(しかも女の園)に放り込まれ、ファッションのよくわからなさにひたすら振り回されるのを楽しむギャグマンガです。
(以下、若干のネタバレあり)
個人的に私自身も、タイトル同様ファッションどうでもいい系だったので、ファッションに興味がない男たちに次から次へと降りかかる「ファッションという大きな壁」と、迫ってきた壁にパニクる男たちの、「わかる~」なリアクションや、「そこまで行っちゃう!?」キテレツなリアクションがツボにハマって大爆笑。
ファッション系のギャグマンガといえば、ドラマ化された『人は見た目が100パーセント』もありますが、あれはファッションが苦手な理系女子(リケジョ)三人組が主人公。
リケジョ三人が「オシャレになりたい!」と成長する(というかしようと頑張る)姿や、ファッションの勉強になる話を描くのがこの作品ですが、『服なんて、どうでもいいと思ってた』の方は、不可抗力でファッションに関わることになった男たちが、いかにもマンガ的シチュエーションを作られ、えんえんファッションに翻弄され続け、そして成長しないというのが、より徹底されています(男だからかもしれない)。
キャラ設定も、マンガです。
イケメンなのにファッションセンスが壊滅的な元盆栽雑誌編集(主人公)、なんでもボクシングで考える元ボクシング雑誌編集、口をつけば映画のワンシーンで例える元映画雑誌編集の三人組プラス、それらを束ねるデスクは、社内恋愛マスターで「ハミ肉」をこよなく愛す元ハードコアエロ雑誌編集という、てんでバラバラの組み合わせです。
しかし、ファッションの波に翻弄されるアホ三人組に対して常に冷静な、恋愛のプロである斑鳩(いかるが)デスクがいい存在感をだしてますね。変な人ですが、女心はよく把握しているので、最近流行りの「解説」役として、上手く機能しています。
ストーリー的にはずっと翻弄され続けるのかと思いきや、打ち切りなのかなんなのか、たった3巻で終わりとな!?
というか、最後は急な展開だから打ち切りだろう!!
だって、一巻では見せ場のあったボクシング編集がどんどん見せ場がなくなってモブキャラに成り下がったり、元盆栽雑誌編集という主人公の設定が活かされなかったり、監禁される独房なのにトイレもなかったり、どう見ても○○○な女性編集長な設定なのにクレームをつける人はそこに触れなかったり、『人は見た目が〜』よりもファッション業界に入り込んだ設定なのにファッション誌の仕事が凄くうすーく描かれてしまっていたりして、打ち切りされてもしょうがないような雑な造りが所々に見られるからね!
打ち切りされないマンガは、細かい所のツッコミ所がやっぱり少ないですよ!
スムーズに読めるというか・・・作品と言っても連載マンガは商品だからね、そこは大事なんでしょう。
でも、思わず笑っちゃう設定も捨てがたいですけどねぇ。
とくに、斑鳩デスクと、今回紹介を控えた、マンガでしかありえない設定の「編集長」の組み合わせは強烈すぎて、ぜひ読んでほしいと思います。
でも、こういった難点があっても、というかむしろ、だからこそ荒唐無稽で滑稽な笑いが生まれるマンガってありますよね「珍味」マンガというか。
とくに、3~5、6巻くらいで終わるマンガって、「テーマ設定だけは完璧」というものが多いですよ。
映画化もされた『究極!!変態仮面』とか、「女性のパンティーをかぶったら強くなる」ってギャグマンガならではの設定は完璧ですよね!
(テーマが強すぎで、キャラがすべて霞みますが・・・)
『服なんて~』も逆に、テーマが主で、キャラが従になっちゃったから、「珍味」マンガになってるのかもしれないなぁ。おしい、おしすぎる。もうちょっと見たかった。もうちょっと、キャラに魅せ場があればよかったのに! ぜひ実写化(というか俳優)で魅せ場を作って~。
(あ、でも最後のおまけマンガはほっこりしましたよ!)
何年かかってもいいので、変態仮面よろしく、こういった、「中途半端な完成度」のマンガは、ぜひ実写化して昇華してほしいですねぇ。
編集長は芦田愛菜にやってほしかったなぁ!! もう遅いけど!