今週のジャンプは「今に真剣になろうぜ」という話でした
こんにちは、「花粉症になったことないから辛さがわからん」と言っていたのが20年前な田中聖斗です。
皆さん、花粉シーズンはいかがお過ごしでしょうか?
今週のジャンプは、『ぬらりひょんの孫』の作者の新連載が始まりました。
(以下ネタバレ)
新連載『神緒ゆいは髪を結い』は、不思議な鎖で髪を結うと、凶暴な女(黒い方)から天使な女(白い方)に変わるという、バトルアクションラブコメです(たぶん)。でも、なんか絵がちょっと古い少女マンガ風です。展開も『花より団子』か?と思うようなキャラが出てきました。
その名も「鍵斗(キイト)」だいぶキラキラネームです。
封印の鎖がほどけると、かなり凶暴な女に変身した主人公(黒い方)にボコられます。
勝ち組のはずが謎の女にボコられる鍵斗くん。
ちょい役でそのまま消えるかと思ったのですが、その後も、みんなに内緒で「金魚のため」に獣医になることを夢見て、遠く離れた塾に通ったり、主人公(白い方)に恋したりと、主要キャラになっていくようです(そういえば表紙にも載っていたわ)。
またしてもボコられる鍵斗(キイト)くん。最初のページがなければただのヘタレキャラでしかありません。なにせ、主人公が凶悪的に強い。
なんというか常識人としてツッコミをする役割を担わされた鍵斗(キイト)くん。
でも、髪の毛の色もそうだけど、なんか、これ、『ジモトがジャパン』のトキオとかぶらね?
今回は京都編で、「任天道」でゲームキャラにされてしまったトキオ。鍵斗(キイト)くんもこんな感じになりそうです。しかし言いにくいよ、キイトって・・・生糸しか思い浮かばないよ。
でも、きっと「鍵」って名前がなんかの伏線なんでしょうね、主人公の髪を結っているのは鎖だし。そこまで話が進むかわかりませんが・・・とりあえず「ネタ」としていじりやすいマンガではありました。そういうのも大事だと思います。
さて、色んな所で注目されている『アクタージュ』。
この間見返してみたら、まだ一年も経っていないんですね。まだまだ続きます。いや、続いてほしいです。
今回は、事務所の社長兼監督に「テメーはフツーじゃねーんだから、高校行ってフツーの生活して見せろや!」と挑発されたと思い込んで、「フツー」になるために挑戦している主人公 夜凪景。
同級生が「映画を撮りたい」ということで、プロ用の機材一式を学校に持って行こうとします(そして持って行きます)。なんだかヘンなんですけど、以前よりかわいさが増してきている感じがします。
しかし、部員が夜凪入れて二人。プロ用の機材を使っても、うまく撮影が進みません。
そこで夜凪はいつものぶっ飛んだ発想に行き着きます。
なんかかわいいドヤ顔の夜凪。いや、文化祭用の映画なんて、プロに頼んでも断られるよ・・・だからよけいかわいく見えるのですが。
ホントにマンガとしてどんどん完成度が高くなっていくな!この作品は!
その後、さすがにプロを呼ぶお馬鹿な展開は入れるはずもなく、「そもそもなんでこの撮影を始めたんだっけ?」という、物作りの本質に入り込む展開になります。
物作りの本質・・・それは、自分の想いを形にすること。
プロとかアマとか、高い機材とか安い機材とか、そういうのではなく、大事なのは、想いなんだということを学んだ夜凪の言葉には説得力があります。
いい!
高校生なら高校生ならではの、作り方がある。とくに、プロと違って「純粋な想い」が表出しやすいので、それが特に小細工的な演出を用いずに、「撮りたい物を撮る」という結果につながり、より、素材の良さ、作品への想いというものが、シンプルに、かつ美しく表現されているコマだと思います。
いきなりプロになって、トップレベルの人たちの仲間入りを果たした、いわばシンデレラになった夜凪。
でも、シンデレラがそのまま王城の生活を続けたらきっと、心が病んでいた可能性だってあるように、夜凪がそのまま走り続けた先にあるのは、役者に人生を捧げ(そして潰える)という道しかない。特に前回の舞台編で、死者の役を完璧にやってのけた夜凪は、危険な道への道が完全に開かれている状態でした。
でも、そこから単に逃げるのではなく、乗り越えていくだけの「強さ」を身につけていくことが夜凪に課せられた課題。
夜凪のプロとしての演劇をストップさせてでも、そのことを夜凪に伝えたい事務所の社長兼映画監督の 黒山は、いったい夜凪でどんな映画を撮ろうとしているのでしょうか??? まぁ、それが明かされるのはずっとずっと先なんでしょうけど、不幸になる結末じゃないのは確実です。
そして夜凪自身も、本当に役者を続けていきたいのであれば、役者という人間として生きたいのであれば、その「純粋な想い」を忘れないような体験が必要。
それを、「高校編」の中で、いわば、普通の役者の人たちのように、「純粋な想い」で演劇をしていく必要がある。それは、天才的な演技力を独学で身につけて、「形」はできているのに、心がそれについていっていない夜凪にとって、今後の役者人生を決める上でも大事な経験だ。
それを、週刊連載マンガで、きちんと描けていることが凄い。今後も期待です。
美人つながりで、『ぼくたちは勉強ができない』は、人気投票でまさかの1位になった、桐須先生編の続き。
「健全なラブコメ」であるこの作品にしては珍しく、サービスショットからのスタートでした。
サービスしすぎでは??
今回は、スケート選手をあきらめたこと、夢だった先生になって生徒の音大受験を応援したばかりに、生徒が傷ついたことを思い出し、暗くなっている桐須先生の救済回です。
主人公 成幸が、幼なじみのスポーツ女子武元うるかのアドバイスから、先生が元気を出せるようにとスケート場とコスチュームを(先生の妹に頼んで)用意。しかし、先生は、滑る気になれません。そこで成幸は自分のスマホから、曲を流します。
桐須先生、カッコイイ!!
この目ってヤバくないか?
いいのか、ヒロインが先生で、大丈夫なのか、この展開!?
と思いながら見ていると、桐須先生から、衝撃のモノローグが。
「血は争えない」だと? 二度見したよ、二度見。
桐須先生が先生を目指すきっかけとなったのが、成幸の亡き父親で、いい人だから貧乏で、いい人だから死んじゃったとかいう展開ですな?
ネットで調べてみたら、みんなもっと前に気づいていたらしいじゃないか! みんな凄いな!
来週が期待ということで行くと、『火ノ丸相撲』ですね。
どう考えても悪役路線まっしぐらの大包平が、今回も暴れまくっています。
自分が勝って休場まで追い込んだ同級生 童子切に、「期待している」と言われなかった大包平。すでに横綱との対戦が終わってる主人公 火ノ丸の方が期待されていることにイライラしています。
しかし当の火ノ丸は、カッコイイ主人公らしく、他の人のことなんざどうでもいい、俺は俺の道を行くんだ! と、先週に引き続き、本名の火ノ丸のオーラなのか、「炎」をまとった相撲を取ります。少年マンガ的演出で、アニメ化しても目立っていいでしょうね!
そして、そんな「自分の相撲」を取り始めた火ノ丸を、温かい目で見守る、問題行動ばかりが目立つが人一倍相撲愛の強い、横綱 刃皇。
これじゃ、本当に刃皇が白血病で引退すんじゃねーのという気にもなる顔ですが、それよりもまずは来週、いよいよ散々引っ張ってきた、大包平との一戦が始まります。
悪の道にとりつかれた大包平が、火ノ丸の古傷を攻めまくってくるのに対し、「相撲愛」でそれを乗り切って大包平を悪の道から救い出すという展開だろうとは思うのだけれど、それをどう、取り組みの中で描いていくのか? そして大包平はなんでこんなに歪んじまったのか? そしてあえてそれを優勝争いの中で描くのはなぜなのか?
期待して次号(以降を)待て!