今週のジャンプはもう、アクタージュだよ!
こんばんは、嵐のライブは同行者もファンクラブ限定になっていることに驚いている田中聖斗です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ちなみに野村萬斎の所は家族五人ともファンクラブに入ってるらしいですよ。凄いですね。
さて、今週のジャンプは、連載一周年の、『アクタージュ act-age』。
推しに推しているマンガがついに、巻頭カラー!(一周年だからだけど)
最初の内は後ろばっかりだったので、打ち切られてはかなわんとアクタージュのためだけにアンケートを(アプリから)入れていたあの頃。
最近は認知度が高くなってきてその心配もなくなり、アンケートもやっていませんが、もう大丈夫でしょう!
だって、週刊プレイボーイにて、夜凪景のグラビアをやるくらいですから!・・・ただ、需要はあるのか??
(以下ネタバレあり)
エンタメ(大衆向け) or 芸術みたいな切り口をテーマにした作品は結構あると思うのですが、あえてそこはサブテーマ的な感じで、あくまでも、演劇の世界でもがく登場人物たちの葛藤や成長を描いていくのが本作。
作者の、演劇への想いの深さを感じると同時に、だからこそ、それぞれのキャラクターが独立して、しっかりとした「ドラマ」が展開されるのが魅力です。
少年誌で(しかも打ち切りマンガに)ありがちな「いかにも」なキャラクターじゃない所がいいですね。
今回のアクタージュは、前回予想したとおり、演出家 巌裕次郎が潰してしまった女優、星アリサの救済について描かれていきます。
宮沢賢治原作の舞台、『銀河鉄道の夜』で、死にゆくジョバンニを演じる主人公 夜凪景。
そして、恩師であり、末期の膵癌でもうすぐ死んでしまう演出家 巌裕次郎を、目の前のジョバンニに重ねてしまうほど、役に入り込みすぎているカムパネルラ役の明神阿良也。
しかし、巌が、夜凪をカムパネルラに抜擢し、自分の死を伝えてきたのはこの時のため。
誰もが訪れる「死」というものに対して、どう受け入れていけばいいのか、どう受け止めると死の覚悟を持てるのか・・・巌は、自身が立ち上げた劇団の人間ではなく、外部の人間である夜凪だけに自分の想いを伝え、読者に対しても、夜凪という役者を通して、一人の人間が何を大事にして生きて、そして悔いなく死ねる心情というものを映し出します。
それは、一言で言ってしまえば「諦観(ていかん、あきらめの心)」ではあるのだけれど、大事なのは、なぜ、あきらめられるのか? そこを阿良也は、今回、夜凪という役者を通して、巌に気づかされるという展開です。
また、同時に、夜凪が役者として、自分にはない役がイメージできず台本通りに演じられないという致命的な欠点があることに対しても、一人の他者としてのリアルな感情を見せ、それを舞台の上でシミュレートさせることで、夜凪にとっても、阿良也にとっても、新しい道が開かれる演技をさせるという、いわば演出が行われます。
そして、阿良也は、今という感情だけに引っ張られるのではなく、自分の力だけではなく、他者との関係性の中で、「立ち上がる」という選択肢をとります。
夜凪の演技は、特に何もしていないように見えて、実は他者のことを信じないと成立しない演技で、そしてそれは巌が夜凪に託した最後のメッセージであり、そして巌が最も伝えたかったのは、ジョバンニに巌を一番重ねた、星アリサだった。
いやぁ、やっぱこのマンガは骨太でおもしろいよねぇ。
2018年の「次に来るマンガ大賞」5位とのことですが、将来的には「マンガ大賞」もありじゃないかなぁと思ったりします。
とりあえず今回書くのははアクタージュだけでいっか、というくらい、アクタージュでよかったです。