先週と今週のジャンプの新連載は「なんかかぶる」でした
先週のジャンプも書いてないのに今週のジャンプももうすぐ今週じゃなくなるのに気づいて慌てて書き始めた田中聖斗です。
というわけで、先週と今週の新連載をまとめて書いちゃうことにしました。
2019年24号から、『NARUTO』の作者岸本斉史原作の新連載『サムライ8 八丸伝』が始まりました。
あくまで原作で、絵柄は別の人ですが、アシスタントだったのでしょう、テイストはそのままです。
病弱で家から出られなかった主人公が、謎の生命体と出会い、ヒーローになっていく・・・という王道ストーリーものです。でもなんか、引きこもりのゲームチャンプという設定が、アニメ『オーバーマン キングゲイナー』に重なります・・・そう思うのは私だけか??
『サムライ8』は、ストーリーは、圧倒的弱者だった者が成長していく、という良くも悪くも『NARUTO』っぽい感じで、今後コケることなく、安心して読めそうな感じでした。
続いて今週号(25号)からは、またまた将棋の新連載『ふたりの太星』が始まりました。
ジャンプの将棋マンガって、なかなか続かないですよねぇ。
『ヒカルの碁』が一大ブームを引き起こしたくらいだから、ジャンプでも将棋マンガがいけないことはないと思うのですが、『ものの歩』、『紅葉の棋節』とイマイチパッとせず終わったりしてますので・・・個人的に『ものの歩』好きなんですけど。
藤井聡太ブームなだけに、その波に乗っかりたいところでしょう。
さて、この新連載『ふたりの太星』は、タイトルの通り、2人の「太星」の物語です。
てっきり、同名の2人がしのぎを削るのかと思いきや、なんと2人は同じ人物・・・そう、二重人格なんです。白と黒の。
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えっ!? アレとかぶらね?
ネタマンガ『神緒ゆいは髪を結い』と!!
『神緒ゆい~』の場合は、髪を特殊な鎖で結うと黒(凶暴「黒ゆい」)→白(女神「白ゆい」)に変わるんだけど、『ふたりの太星』は、夜になると黒(将棋界期待の星「太」)→白(実は黒より強いけど将棋やめた「星」)になるんだと。
うん、かぶるよね。
(ジャンプはちゃんと編集会議してんのか??)
そしてそれを知るのは、将棋を一緒にやっていた幼なじみの女の子と、自身の母親のみ。
なんか・・・あだち充の『タッチ』感が・・・
そんな『ふたりの太星』ですが、色々な要素が混ざり合わさって、果たしてどうなるのかわかりませんが、なんとなく、なんとなくですが、
続かないんじゃないか?
という気がしました。
個人的には、この作者(福田健太郎)の『デビリーマン』が好きだっただけに、デビリーマンほど「続きが読みたいな」と思えない・・・。
絵はね、小畑健ばりに上手くなってるんですけどねぇ。
絵が上手くなっただけに、敵役の小物感が作品の質を落とす気がしてしまいます。
結局ライバルは、もう1人の人格である以上しょうがないのかもしれないですが、敵役が魅力的かつ、2人の太星との微妙な絡みとかを描けないと苦しくなる気がします。そうとう難しいストーリーテーリングになりますが・・・「その世界」に愛があればできるのではないかな?という気がします。
『火ノ丸相撲』なんて、相撲への愛をビシビシ感じますよね。元々相撲好きというわけではなかったそうですけど、だからこそ、「その世界」に対して敬意を払うし、だからこそ、キャラがそれぞれ魅力的になる・・・というわけ。それが、ジャンプの将棋マンガにはどうも・・・欠けてる気がします。
その辺、『ヒカルの碁』は、登場人物すべてに意味があって、ストーリーに重厚さが加えられていたので、リアリティがあり、大人が電車で読んでいても恥ずかしくなかったくらいです。
いきなりそこまでとは行かずとも、何か1人でも、「コイツを見たい!」というキャラを作れるかがカギかな。幼なじみはかわいく描けているけどそれだけだし・・・母親はいい味出してますが。
そういう意味で、原作つけた方がよかったんじゃないかなぁ・・・監修は女流棋士だけだし。
ただ、小ネタは独特で個人的には好きですね。
幼なじみがユーチューバーに襲われるという令和的設定(笑)
ユーチューバーとしての登録者数も負けてるのにカッコよく登場し、そしてあっさりやられる主人公(笑)。
いや、もう、ね、なんか、不安。
最近、絵も上手いし設定もいいんだけど、なんか敵が小物で、話に盛り上がりが欠ける新連載が続いているので、そうならないように祈るばかりです。