今週のアクタージュは“あさひな”でした

アクタージュが気に入りすぎて特別扱いすることにした田中聖斗です。

 

現在ジャンプでもっとも一押しなアクタージュ。

今回も主人公 夜凪が色んな顔を見せていましたが、とりあえず、主人公のことを毛嫌いしている、映研の「席だけ部員」朝陽ひな=あさひな(←勝手に命名)が、なぜ夜凪を嫌っているのか、その理由が明らかになります。

※20.1.7 引用を適正な量にて内容も若干修正しました

(以下ネタバレあり)

scene.59 四月の君

学祭でリョーマとデートしようとして誘うもののものの見事に断られ、自宅で自身の恋心を読者にバラしたあさひな

そんなあさひなの元に、映研の監督志望 吉岡から夜凪の動画が送られてきました。

まさかの夜凪の「目」から夜凪を嫌っていた過去を回想する展開でした。

超絶美人を妬む女子キャラはよくいますが、あさひなは、そんな夜凪と「仲良くなりたい」「同じクラスになれてラッキー」と思うような、純な子です。

しかし、当の夜凪は、コミュ障を通り越して、俗世と切り離された感覚でただただ学校に通い、孤立していることも気にしないような心理状態だったのです。

その結果、ちゃんと自己紹介したのに、冷たい目、何を考えているのかわからない目で名前や顔まで忘れられたら、そりゃあさひなじゃなくても怒るぜ、夜凪よ!

そんなことを思い出した夜凪は、当時の服(4月は夏服じゃねーんじゃねーのと思うけども)を着て、そういう目になっていた当時の自分をまさに「演じ」ながら、ドキュメンタリー風にその時の自分の気持ちを偽りなく語り、それを動画としてあさひなに送ります。

その時の自分は、自分のことしか考えられなくて、自分と仲良くなりたいという人の気持ちに想いを馳せることもなかったと正直に告白。

こういうのは、いかにも高校生っぽくていいですよね。

自分のことばかりな子どもから、他者のことも考えられる大人になる途中、みたいな。

これを疎かにしたばっかりに、ずっと大人になれず、自分勝手な犯罪を犯す人もいるだけに、夜凪がこうやって人と「フツー」に関わりながら、自身もまた、「フツー」の人間の部分もあって、その中で生きていくことの「意味」をなんとなくでも感じていたのでしょう。

そして、あさひなに向けて、これまでの自分をなぞった「演技」から、今の「本音」を伝えます。

この時に、これまで単調だった目の色から、希望にあふれたキラキラした目になっているのも演出です。夜凪は、役者という仕事を通じて他者と繋がり、人として成長したのです。

そして、「カラオケにも行こうと誘いたかったけどやめる」と、そもそもカラオケなんて行ったことあるのかよくわからない夜凪が、まさにフツーの人と交流をしようという意思を見せる初めての回です。

(吉岡くんは映画監督になりたいみたいなので、フツーじゃないです)

 

役者になることで「救われた」だけでなく、「人として成長できる」というところに重きを描いているからでしょうね。

しかし、高校編が終わったら、ナゾのプロデューサー編というハードルもまだまだやってきますが、とりあえず高校編で普通の女子高生としての人間的な成長もさせておこうという作者の良心です。きっと。

ジャンプマンガは成長を描いてこそです

 

翌朝、あさひなへの一世一代のお誘いも「既読スルー」で凹んでいた夜凪。

しかし、あさひなから「友だちになる条件」という照れ隠しのアプローチをしてきます。どんだけツンデレだよ、あさひな!

そうして、ツンデレあさひなは、去ったと見せかけて二人をライングループに誘うのです。これで、映画部は活動できそうですね。

あとは、あさひなの気持ちに気づかずに「学祭でナンパをしたい」とふざけたことを言っているリョーマを仲間に入れれば完璧だね!

 

でも、あまりにも早い展開すぎて、やっぱ高校編はそんなに長く続ける気がないな? という気がしましたが、まぁ、それもいいでしょう!

 

今週の夜凪新顔

こんなフツーの人みたいなこと言う人だった!?ってのが成長に感じる

(出典:週刊少年ジャンプ 2019年 18号)

 

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